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2007/08/19 (Sun) 『ブラックダリア』

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限りなくグレーに近い、白と黒。

許されざる者 特別版 スペシャル・エディション 許されざる者 特別版 スペシャル・エディション
クリント・イーストウッド (2005/09/02)
ワーナー・ホーム・ビデオ
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クリント・イーストウッド監督の『許されざる者』を、硫黄島2部作ロードショーの特別記念

として、謹んで拝見いたしました。

いや~骨太。シンプル&クールにしてダンディ。一言で言うと、ハードボイルドな西部劇

であります。ん、いや従来の西部劇の対極に位置する、アンチ西部劇かも知れません。

と言うのも、典型的な今までの勧善懲悪の西部劇映画に対するアンチテーゼが

至るところに散りばめられているからなのです。  

例えば、この映画の主人公ウィリアム・マニー(クリント・イーストウッド)は、

元冷酷非情な人殺だが、現在は落ち着いて子供達と「豚」を飼育しながら暮らしている。

「牛」ではなく「豚」なのである。また、すっかり銃の腕も衰えて、拳銃ではなく、

散弾銃で相手を倒そうとする。あの夕日のガンマン・クリントがですよ!

そしてこの物語は、そんな隠居の身である初老のマーニーに、元仲間の

甥である若いガンマンが賞金稼ぎの話しを持ってくることから始まる。

街の娼婦がカウボーイに顔を切り刻まれるという事件が起こり、

その仇討に賞金を賭けたのだ。 FC2 Blog Ranking

最初躊躇していたマーニーだが、豚が疫病に係り、子供達を育てる為に

元仲間の相棒ネッド(モーガン・フリーマン)を誘って街へと向かう。

その頃街では、保安官のビル・ダゲット(ジーン・ハックマン)が、復讐させぬように、

街への武器の持込を禁じ、次第に凶暴な牙を剥き出しにしつつあった・・・。

日本でもお馴染みのウエスタンTVドラマ、『ローハイド』でブレイクし、

その後マカロニ・ウエスタン『荒野の用心棒』 『夕日のガンマン』で大スターに

登り詰めた男、クリント・イーストウッド。正に西部劇の申し子の様な彼が、

その集大成として自らが監督・脚本・主演をこなした映画が『許されざる者』である。

しかし、この映画には、かっての西部劇への郷愁などはまったく無く。

逆に西部劇と言うものが持っていたヒロイックな世界観を、ことごとく破壊しているのだ。

相手を倒すために隠れて待ち伏せをし、いきなり撃つ。トイレに入った隙に襲うなど、

正義もルールもあったものではない。そして、保安官は正義を楯に暴力の限りを尽くし、

女性は娼婦として虐げられ、黒人のネッドは無実の罪で嬲り殺しにされる。 

この映画は、チカラの国アメリカ(正義のカウボーイ/あの大統領みたいだ)の真の姿を

曝き出した映画なのである。    ブログランキング

冷たく降りしきる雨。馬の嘶きと誰かの叫び。拍車の音と、銃声。

肉を砕き骨の折れる音が鈍く響く。

どちらが正義でも、悪でもない。法や秩序と言う誤魔化しのマントをまとったバイオレンス。

その向こうに垣間見える真実を、真っ直ぐに毅然と見つめている。

そしてまた、アカデミー賞作品賞、監督賞、編集賞、助演男優賞のオスカー4部門を

獲得したと共に、クリントが多大な影響を受けた映画監督『ドン・シーゲル』と

『セルジオ・レオーネ』と言う敬愛する2人の師に捧げたオマージュであり、

西部劇へのレクイエムでもあるだ。

許されざる者 特別版 スペシャル・エディション 許されざる者 特別版 スペシャル・エディション
クリント・イーストウッド (2005/09/02)
ワーナー・ホーム・ビデオ
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<映像特典>

1.10周年記念ドキュメンタリー(23分)
2.メイキング(24分)
3.イーストウッド・ドキュメンタリー(16分)
4.イーストウッド・オン・イーストウッド(68分)
5.マーベリック:DuelattheSundown(49分)

これに加えて音声特典…タイム誌映画評論家リチャード・シッケルによる音声解説まで付いた

特別版スペシャル・エディションが期間限定で、今ならたったの1980円。

もってけドロボー!

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エーテルと言う名のチカラ、もしくは意思。

リリイ・シュシュのすべて 特別版 リリイ・シュシュのすべて 特別版
市川実和子、大沢・たかお 他 (2002/06/28)
ビクターエンタテインメント

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蒼井優シリーズ第四弾は、遂に彼女のスクリーンデビュー作『リリイ・シュシュのすべて』。

この映画は、インターネットの『リリイ・ホリック』というサイトに掲載された

岩井俊二の小説をベースに、彼が監督した01年の衝撃的な作品だ。

ネット、小説、そして映画という3つのメディアを横断して作られた斬新なものだが、

当時も今も、観る者の評価にこれほど落差のある映画も珍しいと思う。

と言うのも、最後まで観れない、観たくも無い人は別として、観終わった後に、

あまりにも心がヒリヒリと痛む映画だからなのだろう。 FC2 Blog Ranking

今も毎日様に新聞の紙面に踊る<いじめ><自殺>の文字。

この映画も、人生で最も不安定なミドルティーンの子供達の魂が揺さぶられ、

やがて壊れてゆく様を、透明で美しい映像とサウンドで包むように描いた問題作である。

ストーリーは、14歳の中学生・蓮見雄一(市原隼人)が、夏休みの西表島への旅行の後、

突然凶暴になったかつての親友星野(忍成修吾)やその仲間たちからイジメを受け、

《万引き》 《援交》 《レイプ》 《自殺》とエスカレートして行く日常をリアルに描いている。

そして、現実から逃避するかのように雄一は自らが主催する「リリイ・シュシュ」のサイトに

救いを求め、リリイの歌声に<エーテル>を感じ、すがる様に癒しを求める。

しかし、星野のイジメは加速し、クラスメイトの津田詩織(蒼井優)を脅して援助交際をさせ、

雄一にその見張りを命じるのだった。何も出来ず為すがままの雄一。救いを求める津田。

やがて星野は、過っての恋人であった久野(伊藤歩)をレイプする為に雄一を使い、

工場の跡地に連れ込む・・・。星野を煽った不良仲間の女子が、「この工場、元は星野の

実家がやってたんだよ。会社は倒産、一家は離散。そりゃ荒れるわ」と吐き捨てるように

言うのを聞き、雄一はただ涙を流して立ち尽くす。

「久野さんは、強いから」と言って雄一を慰めた津田も、久野が自ら頭を坊主に刈り上げて

教室に現れた姿を見て涙を流し、「空を飛びたい」という言葉を残して送電塔から飛び降りたФ

そして「リリイ・シュシュ」のコンサート会場。互いを知らずにサイトで励ましあっていた

ハンドルネーム《フィリア=雄一》と《青猫=星野》が出遭う事になるが・・・。

呼吸 呼吸
Lily Chou-Chou (2001/10/17)
東芝EMI

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地方都市の田園風景の中、溢れる光と影。手持のカメラワークを駆使して切り取った

映像が、揺れる幼い魂をリアルに描く。 

岩井監督の類稀な感性と篠田昇のカメラが生み出した、実験的かつ挑戦的で、

正に奇跡的な映画だと言える。

スクリーンに響くカーソルを打つ音、文字となって現れる少年達の言葉。

編集に4ヶ月を費やし、その一つ一つのタイポフェイスに岩井監督は意味を込めている。

物語でキーワードとなる<エーテル>と言う言葉は、意思を持った再生するエネルギー

の様なものだと、達也は感じたのだが・・・。   ブログランキング

この映画は、確かに見る者の心に多くの傷を刻み込む。

しかし、受け手に再生するエネルギーがある限り、ヒリヒリとした痛みを伴いながら、

やがて癒しへと変わっていく。傷そのものには痛みは無く、再生<リロード>しようと

するからこそ、そこに痛みが生じるのだ。


だから、生命力の強い者はもう一度観たいと感じ、そうでない者は拒絶する。

ラストシーン。放課後の音楽室のピアノでドビッシーを奏でる久野の凛とした姿は、

溢れんばかりに<エーテル>を放射し、眩い光に包まれている。

さて、後12回ほど観るとしますか。

岩井俊二監督への考察を、別ブログで公開中!

リリイ・シュシュのすべて リリイ・シュシュのすべて
岩井 俊二 (2004/02)
角川書店

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テーマ:DVDで見た映画 - ジャンル:映画


壮大な西部劇へのオマージュでもある。

スペースカウボーイ 特別版 スペースカウボーイ 特別版
クリント・イーストウッド (2005/09/30)
ワーナー・ホーム・ビデオ

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最近どっぷりと「クリント」監督にはまっている達也です。

ヘヴィーな『ミリオンダラー・ベイビー』と『許されざる者』の中休みとして

ちょっくら『スペースカウボーイ 』でも観ますか、などと軽い思いでDVDを

手にしたのですが、バキューンと44マグナムが飛んできました。

この『スペースカウボーイ 』、もちろんペプシ片手に観ることも出来ますが、

中々のじゃじゃ馬なのですよ。

この映画、クリント70歳の古希のお祝いに作ったかどうかは知りませんが、

やはり数々のアイロニーやオマージュに満ちております。『許されざる者』が

「ドン・シーゲル」へのオマージュならば、『スペースカウボーイ 』は

西部劇の名作リオ・ブラボーの「ハワード・ホークス」へのオマージュであることは

間違いない。キーマンの一人で、テンガロンハットを被ったパイロット(=カウボーイ)を

演じる「トミー・リー・ジョーンズ」の役名が「ホーク(=ホークス)」なのだ。

彼のネーミングは何時も意味があり、疎かに出来ないのでご用心。

さて、肝心のストーリーですが、1958年に空軍のパイロットだった

「フランク(クリント)」達『ダイタロス』の4人は、一匹のチンパンジーに

宇宙への夢を奪われてしまう。  ブログランキング

それから40年、ホーク(トミー・リー・ジョーンズ)は曲芸パイロット、

ジェリー(ドナルド・サザーランド)はジェットコースターの設計技師、

そしてタンク(ジェームズ・ガーナー)は田舎の牧師となっている。

しかし、ロシアの人工衛星が故障して軌道を外れ地球に落下しそうなり、

その誘導システムの開発者であったフランクに白羽の矢が立つことになる。

フランクは、過っての上官に契約書を書かせ、NASAに協力する条件として

チーム「ダイタロス」の4人で宇宙へ行くことに成功する。そして、老骨に鞭を打ち、

彼らは宇宙を目指して訓練を開始する。若い者にはまだまだ負けぬと、恋や友情の

エピソードも絡めながら、ついに宇宙へ旅たつ『ダイタロス』の4人。

しかし、思わぬ運命が彼らを待っていた・・・。  FC2 Blog Ranking

この『スペースカウボーイ』は「クリント・イーストウッド」監督・製作・主演の

SFアクション大作だが、ある意味クリントにとってもエポックな作品となっている。

それは、彼の西部劇に対するレクイエムでもあるように思えるからだ。

過去のある牧師を「ジェームズ・ガーナー」、ダンディな男を「ドナルド・サザーランド」、

そして空飛ぶカウボーイを「トミー・リー・ジョーンズ」に演じさせている。

クリントはこの映画を「ハワード・ホークス」へのオマージュとし、

愛する西部劇へレクイエムを捧げることで、『ダイタロス』の4人同様

に自分の映画人生にある種の決着を付けたのだろう。その後『『ブラッド・ワーク』、

『ミスティック・リバー 』、『ピアノ・ブルース 』、『ミリオンダラー・ベイビー 』と、

ウエスタンやカウボーイと決別し、今回の『父親たちの星条旗 』に至ると言うわけだ。

いやー軽く繋ぎで観る筈が、結構色々考えさせられたわけですが、映画として十分過ぎるほど

楽しませてもらいました。文句無しの五つ星エンターティメントであります。

しかも、「ダイタロス」の4人が人気コメディアンの「ジェイ・レノ」のテレビ番組に

出演して「その戦争って南北戦争?」「ライプripe(=老齢)・スタッフ」と

からかわれたりするシーンがあるのだが、実際に4人が番組に出演し、

映画のPRに使って、メディアを手玉に取っているのだ。おまけにCG嫌いのクリントが

今回はルーカス・フィルムと組んで、NASAの全面協力の下、素晴らしい宇宙空間や

大気圏突入のシーンをちゃっかりとクリエイトしている。

また、エンディングに流れるフランクシナトラの「Fly Me To The Moon」がキマっていて

カッチョ良いのだが、「月」「猿」「コンピュータ」と、キューブリックの

2001年へのアイロニーも忘れておりません。

やっぱりこのクリキントンは、食えないジイサンなのだ!

スペース カウボーイ 特別版 スペース カウボーイ 特別版
クリント・イーストウッド (2006/10/06)
ワーナー・ホーム・ビデオ

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↑ しかし、特典映像を加えて3時間近いこのDVDが1500円とは、長生きはするもんだ。

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テーマ:DVDで見た映画 - ジャンル:映画


『中島らも』の<永遠も半ばを過ぎて>が原作。
20061116204807.jpg
Lie lie Lie / 豊川悦司

次のクリント監督作品へ行く間の繋ぎとして昨日観たのだが、中々どうして楽しめた。

原作は惜しくも夭折した『中島らも』さんであることも手伝い、レンタルビデオ屋さん

の棚にチョコンと1本だけあったビデオを借りてきたのだ。

主演は、豊川悦司・佐藤浩市・鈴木保奈美の三人。1997年の公開作品だから、

三人とも10歳ほど若く、良い感じである。共演は、中村梅雀、麿赤兒、本田博太郎と、

かなり渋いキャスティングになっている。

物語は、タイトルの通り詐欺師(Lie=嘘)三人組のお話し。

写植オペレーターの波多野(佐藤浩市)の元へ高校の同級生の相川(豊川悦司)が

転がり込んでくることからこの映画は始まるのだが、波多野の職業が

電算写植屋というのが良い。後半のハイライトとなる詐欺への伏線にも

なっているのだが、元コピーライターの「らもさん」らしい設定だ。

相川(豊川悦司)は、明日の昼まで預かってくれと言い残して、波多野(佐藤浩市)に

ジャンボ・サザエの母貝を預けて去って行く。その後5日間音沙汰も無く、貝は冷蔵庫で

腐ってしまうのだが、5日間の空白はその後相川の回想シーンで補完され、

映画の後半で他のシーンと相まってパズルの様に見事に完成するのだが、

原作に忠実に見事にテンポ良いプロットに仕上げられている。FC2 Blog Ranking

印刷屋の若社長の三谷(中村梅雀)と組んで医師会の40年の年史のコンペに参加し、

見事仕事を受注するが、相川が不眠症の波多野に催眠薬を与えることで

波多野の中に眠っていた文学的才能が覚醒する。それをネタにしる事を

思いついた相川は、大手出版社に乗り込み霊的自働書記で幽霊が書いた

小説として売り出そうとする。    ブログランキング

しかし、その詐欺に気付いた編集者の宇井 美咲(鈴木保奈美)は、逆に彼らと一緒になって

会社に初版3万部を刷らせることに成功するのだった。

しかし、相川の元に、かって騙したやくざの娘と用心棒の田(麿赤兒)が迫っていた・・・。

10年も前に作られた邦画とは思えない、小粋な台詞回しとテンポの良いプロット。

鈴木保奈美の「ウンコ召し上がれですわ」には笑った。そう言えば音楽

は、「BONY PINK」であります。

またこの映画には、写植、薬、コンペ。アート、出版、ヤクザ。中島らも氏を

取り巻いた幾つモノ愛すべきアイテムが随所に散りばめられている。

最近再びスポットを浴びつつある彼の世界に触れてみるのも悪くない。

でも、あの世でも飲んだくれてラリってんだろなぁ、アーメン。

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テーマ:邦画 - ジャンル:映画


強烈なボディ・ブローの様な一本。

ミリオンダラー・ベイビー ミリオンダラー・ベイビー
クリント・イーストウッド (2005/10/28)
ポニーキャニオン

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父親達の星条旗を観て、クリント・イーストウッド監督の勇気に感銘し、

この映画をどうしても観たくなってしまった。

2本前にレビューした『インソムニア』のヒラリー・スワンクが、この映画で二度目の

オスカーを手にしたことも気になっていたし、M・フリーマンも気になるし・・・。

でも、数年前に観た『ミスティク・リバー』のクロスカウンターから未だ立ち上がれない

でいる達也としては、チョッと躊躇してたりもして・・・。 FC2 Blog Ranking

でも、観てよかったぁ! 実に素晴らしい映画ですやん。タイトルにも書いたように、

正にこの映画は『ミリオンダラー・ムービー』であります。

さて、肝心のストーリー・ですが、ネタバレに注意しつつ説明すると、

ロサンゼルスのダウンタウンで寂れたボクシングジムを経営する老齢の

トレーナー『フランキー・ダン/C・イーストウッド』は、敬虔なカトリックで頑固な男だ。

そんな彼はあまりに慎重に選手の対戦相手を選びすぎるあまり、チャンピオン候補に

愛想をつかされて、他のジムに移籍されてしまう。そんな時、トレーラー暮らしで育った

貧しいウエイトレスの『マギー・フィッツジェラルド/ヒラリー・スワンク』が、

フランキーに弟子入りを志願するが、31歳の女のトレーナーなどは引き受けないと

拒否される。しかし、断られても何度も足を運ぶマギーに同情したジムの雑用係で

元ボクサーの『エディ・デュプリス/モーガン・フリーマン』が、

彼女の素質を見抜いて応援する。

やがて根負けしたフランキーは引き受け、彼の指導でマギーは見る見る上達し、

試合で連戦連勝を重ね、ついには世界チャンピオンの座を狙えるほどになる。

しかし、栄光の絶頂を迎える寸前に、思いもよらぬ悲劇が彼女を襲うのだった・・・。

20061111042838.jpg

2005年のアカデミー賞において4部門のオスカーを受賞したこの映画は、

バッシングの数においても他の映画の追隋を許さない。  ブログランキング

何故ならこの『クリント・イーストウッド』監督の映画は、単なる女性ボクサーの

サクセス物語などではなく、親子の絆や愛、生きることの意味と真正面から15ラウンド戦い、

リングに立ち続けた作り手が、観客にそのジャッジを突きつけてくるからだ。

映画に娯楽やストーリーだけを求める者には、あまりに辛いジャッジを

要求されることになる。ほとんどの観客はそれさえ放棄し、映画にあらずと非難さえするだろう。

しかし、この映画は、人生に何かを求める者にとって、多くの恩恵をもたらす

『ミリオンダラー・ムービー』であることは間違いない。

映画のキーワードであるフランキーがマギーのリングネームとして彼女

に与えるその名は、『モ・クシュラ』。アイリッシュのゲール語で、

『愛するお前は、私の血』という意味がある。ラストでこの意味を聞かされるマギーの

瞳からこぼれる涙は、悲しみの結晶であるはずが無いと、達也は思う。

光と影、栄光と挫折。三位一体となった神々しいほどの三人の演技と、深い映像。

そして、クリントの生み出したサウンドが、聖堂に響くゴスペルの様に聞こえ、

「モーガン・フリーマン」のモノローグが神の声の様に優しく胸を打つ。

そう言えば彼の映画製作会社「マルパソ・カンパニー」は、険しい道と言う意味があったっけ。

達也またしても、映画人『クリント・イーストウッド』とスタッフの勇気と誇りに拍手!! 

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蒼井優の涙は、映画を救えるか。

変身 変身
玉木宏 (2006/05/26)
アミューズソフトエンタテインメント

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達也お気に入りの蒼井優シリーズ第3弾は、『変心』。

人気ミステリー作家東野圭吾の同名小説を、若手のホープ『玉木宏』と『蒼井優』の共演で

映画化した作品。監督は『佐野智樹』で、ジャンル的にはサスペンス・ラブ・ストーリー

と言った感じの映画だ。  FC2 Blog Ranking

物語は「成瀬純一/玉木宏」が、病院のベッドで目を覚ますシーンから始まる。

純一は恋人の「葉村恵/蒼井優」と再開することで少しづつ記憶を取り戻すが、

全く思い出せないことがあった。そして、病院の医師たちは何かを隠していることを

感じ始める。やがて、愛し合う「めぐ」との思い出とは別の、凶暴なもう一人の自分が

存在することに気が付くのだった・・・。

脳移植手術によって一命を取り留めたものの、何者かの脳を移植されることにより、

別の人格に自分を乗っ取られる青年の苦悩。肉体以上に自分の精神や

輝いた想い出や愛までもが奪われてゆく二重の恐怖を、「玉木宏」が好演しているが、

何かが足りない気がする。めぐ役の蒼井の演技も素晴らしく、愛する青年に

忘れられていく悲しいヒロインを見事に体現しているのだが・・・。

今回はかなり辛口のレビューになるが、監督の力量不足。原作の良さを活かし切れない

構成の荒さが目立った気がする。 ブログランキング

蒼井優のお肌もハードワークの疲れか肌荒れが目立ち、本人もやや乗り切れぬ

様子が伺えた。情熱大陸で彼女が語っていた<軸>が定まっていない感じなのだろう。

また、特別出演の釈由美子も目立つ割に釈然としませんなぁ。

一人のアクターや監督の輝きや監督の演出の力量だけで映画は作られるのではない事の

良い反面教師的作品、と言ったら言いすぎかな・・・。

しかし、懲りずに蒼井優第4弾、5弾と、達也いきます!

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変身 変身
東野 圭吾 (1994/06)
講談社

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蒼井 優にエールを !




テーマ:DVDで見た映画 - ジャンル:映画


母の愛で綴られた、13通の手紙。

ニライカナイからの手紙 ニライカナイからの手紙
蒼井優 (2006/01/24)
ポニーキャニオン

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達也お気に入りの蒼井優シリーズ第二弾は、『ニライカナイからの手紙』。

いやいや、こっちが構えているせいか、オープニングから涙腺が緩みます。

監督は、、『TOKYO NOIR』で今最も注目される『熊澤尚人』。 FC2 Blog Ranking

物語は、沖縄の竹富島で郵便局長の祖父と2人暮らしの少女『風希/蒼井優』が主人公。

東京で暮らす母『昌美/南果歩』は、風希が6歳の時に島を出て以来一度も

戻ってくることはなかった。そんな風希にとって、母が毎年誕生日に必ず届けてくれる

手紙が何よりの宝物。そして、風希が14歳の時の手紙には、「20歳になったら

すべてを打ち明けます」と書かれていた。やがてカメラマンだった父の遺品の

カメラで写真を撮るようになる風希。そして高校卒業後、彼女は祖父の反対を押し切り、

写真を勉強するために一人上京する。  

そして、慌ただしい東京での1年が過ぎた、19の誕生日。

母から届いた手紙には、「総てを話すので、井の頭公園の弁慶橋で朝10時に待っています」

と綴られていた・・・。  ブログランキング

20061104131607.jpg
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登場人物も少なく、ほとんどのシーンが竹富島と東京のカメラマンスタジオに限られる中、

蒼井優の抜群の演技力が光る。大振りの派手なアクションではなく、

表情だけでそれを伝える彼女のチカラは、恐るべし。

少女が大人への階段を1つ登る度に、母から届く1通の手紙。

「風希、お誕生日おめでとう・・・」と、モノローグで綴られる母の温かい思いが、

観るものの涙を誘います。何処までも青く透き通る竹富島の海と空。

ぎゅっと手紙を抱きしめる切ない風希の気持ちを、蒼井優が余すことなく伝えます。

永山尚太が唄う『太陽ぬ花』も良いです。

ただ、ラストの回想と手紙のシーンは、

もう少しシンプルにしても十分伝わったかも。

達也も次の春には、懐かしい井の頭公園に行ってみたくなりました。

ご近所のTSUTAYAさん、こんな隠れた名作のDVDを1枚しか置いて無いなんて・・・。

明日から10枚にしましょう。 ヨロシク!

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蒼井 優にエールを !





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生きている限り、眠らせてはならないものがある。

インソムニア インソムニア
アル・パチーノ (2003/03/19)
ポニーキャニオン

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いやー、眠いッス。日ごろのハードワークと面白い映画達のお蔭で、

睡眠不足の達也です。おっと、今回の映画は『インソムニア(不眠症)』ですやん。

しかし、上手いもんは上手い。『アル・パチーノ』、『ロビン・ウィリアムス』、

そして『ヒラリー・スワンク』のトリプルアカデミーの3人が、魅せてくれます。

しかも監督が『メメント』の『クリストファー・ノーラン』とくれば、

期待せずにはおれません。世間の辛口の批評によれば、サイコ・サスペンスとしては、

プロットがありきたりであるとか、ドラマに起伏が無い、そもそもタイトルと

伝えたいことが結びつかない等などあるようです。どっこい、頭の霧を

晴らせば見る見る見えてくるものがありますぞ!   FC2 Blog Ranking

物語は、17歳の少女が殺された猟奇殺人を解決する為に、ロスから敏腕の刑事

『ウィル/A・パチーノ』と相棒がアラスカにやって来ることから始まります。

地元の新人刑事『エリー/H・スワンク』は以前からウィルを尊敬していたが、

ある事件を巡って、ウィルと相棒は内部監査を受ける身であった。

そして、犯人のB級作家である『ウォルター/R・ウィリアムズ』は、

静かな狂気を漂わせ、誤まって相棒を撃ってしまったウィルと取り引きをしようと

持ちかけるのだった・・・。  ブログランキング

不眠症 オリジナル版 ~インソムニア~ 不眠症 オリジナル版 ~インソムニア~
ステラン・スカルスゲールド (2003/01/03)
ビデオメーカー

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 ↑オリジナル版 インソムニア

何処までも続くアラスカの流氷と白夜。立ち込める霧が、人の善と悪を白く包み込む。

昼と夜、善と悪。そのボーダーレスな状況で、強靭な意志と正義感の持ち主である

『ウィル/A・パチーノ』の何かが壊れてゆく・・・。

しかし、彼の最後の言葉が、全ての霧を晴らしてくれる。

『道を見失うな』と。そういえば、『ウィル』と言う言葉には、意思と言う

意味があったっけ・・・。

抑制の効いたA・パチーノの最高の演技と、R・ウィリアムズの静かな

狂気。そしてH・スワンクの透明感な存在感を是非ぜひご覧頂きたい。

ただし不眠症になっても、達也は知りませんので、悪しからず。

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