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2007/08/19 (Sun) 『ブラックダリア』

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犬のような愛=『アモーレス・ペロス』

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 『21g』→『バベル』→『アモーレス・ペロス』と、まるでイニャリトゥの映画編集の様な見方になったこの一連の作品だが、見事に「アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ」節が詰まっている。
時間軸をシャッフルした手法で、人間の本質的な弱さ、哀しさ、そして愚かさを徹底的にリアルに描く演出は、1作目から変わっていない。
 いやむしろこの1作目にこそ、彼のオリジナリティがスクリーンいっぱいにストレートに溢れていると言えるだろう。

 物語の舞台はメキシコ・シティ。街を逃げるように疾走する1台の車がスクランブル交差点に猛スピードで突っ込むと、もう1台の美しい女が運転する車とクラッシュする。鳴り響くクラクション、燃える車。路上に撒き散らされたフロントガラスの破片。現場に居合わせたのは、犬を連れた浮浪者の様な初老の男。そして、一方の車には黒い瀕死の闘犬と若い男。もう一方の車には、美しいブロンドのモデルと小さなマルチーズが乗っていた。

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 観客はこの導入部分でグィッと本作に引きこまれる。そして、観客は時間を遡り、事故を起こした男、事故に巻き込まれた美しいモデル、事故を目撃し傷ついた犬を連れ去る初老の男と、三者三様の様々な人間の生き様を観てゆくことになる。 ブログランキング

 兄嫁に恋し、彼女と街を出るため飼犬を闘犬にして金を荒稼ぎする青年を描く①の『オクタビオとスサナ』。不倫の末、ようやく愛を勝ち取ったはずの人気モデルが事故のために転落していく②の『ダニエルとバレリア』。元教授で革命家の殺し屋が、思想の為に捨てたはずの家族への愛に苦しむ③の『エル・チーボとマル』、この三篇の物語でこの映画は構成されている。
 そして、この映画で描かれている《愛》は、すべて自己中心的なエゴイスティックな愛であり、報われない不毛の愛だ。しかし、どの登場人物たちも熱い血を滾らせながら、必死で今の一瞬を生きている。そんな彼らを、彼らの飼犬と重ねながら、一層その哀しい性をリアルに描き出していくのだ。

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  また、この映画をまるで上質なドキュメンタリーの様に感じさせる要因として、その素晴らしいカメラワークがあるが、出演者達の類稀な演技力も忘れてはならない。エル・チーボ役の『エミリオ・エチェバリア』、兄嫁に思いを寄せるオクタビオ役の『ガエル・ガルシア・ベルナル』がいい。

 少々強引で、荒削りな感もあるが、『アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ』監督の、映像・脚本構成・音楽のセンスがここでも光っている。エンディングの荒野へ歩き出す「エル・チーボ」の前段がチョッと長くて冗長な気もするが、『グスターボ・サンタオラヤ』のギターサウンドが流れ出すと、鳥肌が立つくらいキマっている。FC2 Blog Ranking

 達也としては、モデルのバレリアが事故後に自分の巨大な屋外広告が外されたビルの壁を窓越しに見るシーンと、エル・チーボが娘の部屋から盗んだ写真に、自分の写真を貼るシーンが気に入った。どちらも、人の哀しさと愚かさを見事に浮き彫りにしていると感じた。



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